「紙媒体」が完全に消滅しない3つの理由とは?

雑誌や新聞といった昔からある紙媒体から、チラシやパンフレットといった広告に特化した紙媒体まで、紙メディアは人類史上ずっと長い間存在してきました。ところが、デジタルが登場している現在では、新聞業界が徐々に衰退しつつあるというのがよく問題として取り上げられています。

この世から新聞が徐々に消えていく、と考えている人は多いですが、最近の調査ではこの見方を覆す結果が出ています。ここでは、この紙媒体が消えない主な理由を3つご紹介します。

人々からの信頼度が高いから

紙媒体は消えつつあるという議論で考慮すべき2大産業は、広告業界とマーケティング業界です。ご存じの通り、この2つの業界は、SEOなどの様々なマーケティング手法を用いて、他業界の企業の成長を後押ししています。

ここ10年ほどの間、広告主やマーケティング担当者は、オンラインマーケティングに力を入れており、Youtube動画で毎回目にする動画広告や、SNSを眺めていたら目に入るランダム広告を作成してきました。

しかし、こうした広告を煩わしいと感じている人は多く、広告ブロックをインストールしています。他方、紙媒体の広告はブロックされておらず、実際に煩わしいとは認識されていません。紙媒体の広告は、新聞上で見られることを前提にしており、読者は広告を詳しく読むかどうか選べます。

紙媒体の広告は、オンライン広告よりも信頼性が高いため、ブランドが顧客と接点を持ち、より親密な関係を築くのに役立つと言えるのではないでしょうか。

新聞ならではの価値があるから

ある推計によると、有料媒体の広告に費やされた総額はおよそ46兆円近くにのぼり、その大部分がデジタルマーケティングに費やされています。テレビよりもデジタル広告に費やした金額が大きくなったのは、史上初のことです。

一方、世界の印刷広告は減少しつつあり、推定市場規模はおよそ5.3兆円となりました。しかし、これは想定されていた最悪シナリオとは程遠く、多くの企業や広告主が今でも紙媒体の価値を信じていることを示しています。日本国民の3分の2近くが、今でも新聞を購読しているという事実もありますからね。

デジタルマーケティングに予算を割く企業が出てきても、紙媒体が提供できる価値や人間らしさを考慮すれば、従来の新聞広告にもまだ希望があることが分かります。ですので、この点を考慮しても、新聞は、まだしばらくは存続する可能性があるといえます。 

印刷広告にメリットがあるから

テーブルの上にウェブサイトを載せることなんて、もちろん無理ですよね。ネット上で目立って成功せねばならない企業にとっては、紙媒体は今でも最も有力な広告形態であり、事業の成功に大きく貢献することが可能です。

ビルボード広告や新聞広告、小さなサイズのチラシやリーフレットなど、紙媒体に割く予算は各企業によって大きく異なりますが、ここで大事なのは、これだけ多くの企業が印刷広告のためにお金を費やしている理由です。印刷業界が将来消えていくのであれば、なぜ企業は更なる投資をしようと思うのでしょうか?そう、なぜなら紙媒体が完全に消滅することはないからです。